蜂太郎の家作り ひとりごとへ戻る

家作り中の蜂太郎2,3日前、窓枠に黒いものが付着していたので「何のゴミだ?」と思いながら顔を近づけた。・・・蜂の巣だ・・・。
まだ小さくて部屋の形はわからないけど、作りかけの家にとまって、蜂が寝ている(たぶん)。朝晩は、蜂も家作りをせず休んでいるのです。
実は、昨年もアシナガ蜂が巣を作り、焦った我々は、蜂が寝ている間に奇襲攻撃。火あぶりにしてしまったのです。しかし、非常に後味が悪かったのでした。
というわけで、今回は蜂は退治せず、巣だけを取り除く作戦に。
まずは、巣作り観察。30秒くらい巣を離れ、ブーンブーンと近くを飛び回り物資を調達。巣に戻ってきて1,2分くらい作業をしている。窓のこちら側から観察していて危険もないので、蜂の様子を飽きることなく眺めていたら本来の目的を忘れかけてしまった。それくらい、巣作り観察は面白い。前足後ろ足をあれこれ動かし、頭を上に下にと忙しく動かしている。なんでそんな動きで、あんなにきれい六角形の部屋ができるのだろう?
するとまた、ぶーんと飛んで行き、なにやら集めている。すぐに戻ってきて、ちょこちょこ作業をしている。この繰り返し。非常に地道な作業だ。何百何千往復して巣を完成させるのだろう。すごいなあ。本当にすごいなあ、と思った。
しかし。ここで意を決して巣を壊さないことには、日に日に大きくなってしまう。蜂が何度目かの物資調達のために飛び立った直後、窓をさっと開けて雨戸を閉めた。これで蜂の巣だけが室内側に取り残される。
蜂の巣を壊さないようにそっと取り除き、巣があった場所をきれいに拭き取る。気休めだが、猫のトイレ用消臭スプレーをかけてみた。これで、同じ場所には巣を作らないだろう。蜂の巣は現在7部屋。全ての部屋に卵が産み付けられていた。
作りかけの巣雨戸を開けてしばらく様子を見ていたら、蜂太郎が戻ってきた。巣があった場所をうろうろしている。かなりの時間、うろうろしている。蜂太郎の気持ちが手に取るようにわかった気がした。そりゃそうだ。ここ何日も、昼間は巣作り。朝晩は休んでいた場所。今だって、ちょっと前まで何度も行ったり来たりしていたのに、戻ってきたら何もなくなっているのだ。まだうろうろしている蜂太郎を見て、やっぱり後味が悪かった。
蜂も、種類によっては攻撃性が非常に低く、益虫でもある。可能であれば場所を提供し、お互いに距離を保って平和に暮らしたい。しかし、こんなに狭い(近い)場所では、いつ刺激してしまうかわからないのだ。と、言い訳を考えながら眺めていた。とうとう蜂太郎はどこかへ飛んで行った。
(2005.5.2)